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Vol.5 関西版夕刊フジ取材記事紹介

2006年10月13日(12日発行)の関西版夕刊フジにて「大化け前の関西中小企業」というタイトルで髪の毛帽子WithWigを取り上げていただきました。

抗がん剤脱毛女性救った"帽子"

関西版夕刊フジ掲載「大化け前の関西中小企業」抗がん剤脱毛女性救った帽子

着脱式ヘアピース、日米で特許

(上記掲載記事文章)

抗がん剤治療による脱毛で悩む女性たちを救う「帽子取付型ヘアピース」。開発したのは、カツラにもファッションにも無縁のプロダクトデザイン会社。

「髪の毛が付いている帽子ってないかな?」スタイリストだった土橋真理子さんが、友人から電話でそう聞かれたのは、8年前のことだった。その女性は、悪性リンパ腫で抗がん剤治療を受けており、副作用でほぼ全脱毛になっていた。
「家の中ではいいんだけど、ちょっと外へ出かけたいと思っても、恥ずかしくて…」
方々探し回ったが、そんなものはどこにもない。そこで、市販の帽子にオシャレ用のつけ毛を縫いつけ、オリジナルでつくってみた。プレゼントされた友人は、鏡の前で涙を流したという。
「それがきっかけで、ホームページを立ち上げ、とりあえず3種類つくった商品を販売し始めたのです」と話すのは、土橋さんの夫で、プロダクトデザインやウェブデザインを行う会社、プロイドの中禰兼治社長(55)。
工業デザイナーとして35年のキャリアを持つ中禰社長が手掛けているのは、システムキッチンやオフィス家具、電子機器にゴルフクラブ、スキー靴、テニスラケットといったスポーツ用品。全く異質の分野への進出に、中禰社長は「最初は半分ボランティア。でも、事業として継続していかないとかえって迷惑をかけてしまうことになる」。
"素人"だったから、人工ヘアの調達にも苦労した。大手メーカーは注文の最低ロット数が大きすぎて、とても話にならない。ようやくヘアピースを作っている大阪市内の会社を探し当て、製造を依頼した。
当初は、帽子に直接ヘアピースを縫いつけていた。ところが、帽子が汚れても洗えないし、何より縫製に手間がかかる。
そこで、オリジナルのクリップを考案。帽子のビン皮(内側を一周しているテープ状の汗止め)に、4か所で取り付けるようにした。これなら着脱は簡単だし、帽子の内側に折り込む形になるため、はずみで外れることもない。さらに、がん治療に使う薬品への耐性を考え、ステンレスに焼き入れしたものを素材にした。
ポイントはもう1つ。帽子からのぞくヘアが自然でなくてはいけない。
帽子に装着するヘアピースのベース部分に、人工ヘアを縫いつける方法を工夫。数段に分けて縫いつけ、真後ろの中央部は厚く、両サイドに行くに従って薄くした。じっくり見ないと、自毛でないとわかることはない。
ショートからロング、ストレートにウェーブ、ソフトレイヤー、髪の毛のタイプは15。黒髪もあれば茶髪、年配者向けの白髪交じりもある。帽子(2000〜4000円)を含まずに、価格は4000円台から8000円台。
インターネットのみの販売で、発売当初、月30程度だった注文が、いまでは10倍の平均300に。前年比3割増のペースで伸びているという。
「おかげで帽子取付型ヘアピースのウィズウィッグ事業部の売り上げは、会社全体の25%を占めるまでになっています」と、中禰社長は苦笑する。
国内に続いて米国でも特許を取得。今年1月から、北米を中心にネット販売を始めた。「米国市場は日本の10倍ある」と予測。今後は米国人向けのオリジナル商品を開発していく予定だ。