脱毛する可能性が高い抗がん剤治療が始まったからと言ってすぐに脱毛するわけではありませんが、体調の変化はすぐに現れることが多く、髪の毛が抜け始めてしまうと精神的にもお買い物をする気分にもなりにくいものなので、できるだけ早めに準備をなさった方がいいでしょう。
脱毛初期は保護用にニット帽子やバンダナなどのご利用をおすすめします。
帽子を利用するメリット
白血球が減少する抗がん剤投与後1潤オ2週間は風邪などの感染症にかかりやすくなっていますからできるだけ外出を控えてお家でゆっくり過ごすのが理想的です。
脱毛は一回目の抗がん剤投与後、2潤オ3週間後に始まることが多いようです。抜け毛は日増しに多くなっていきますのでお掃除の負担をなくすためにも保護帽子やバンダナ帽子の利用をお勧めします。
脱毛の部位は個人差がありますが、生え際部分が残ることが多いので治療開始からしばらくは帽子だけでも不自然さはないでしょう。
抗がん剤の次回投与予定日直前の1週間程度は体調にもよりますが副作用が落ち着いてきますので、着脱式ウィッグでおしゃれをして外出を楽しんでください。
治療スケジュールと体調をうまくコントロールすれば旅行することもできます。
上手に気分転換することが長期間の化学療法を乗り切るコツです。
脱毛は頭髪だけでなく、体毛、眉、まつげなどにも起こります。まつ毛が抜け始めたら、めがねで目を保護することをお勧めします。
また治療中は肌が紫外線に敏感に反応することがあるので、日差しの強い季節は帽子や日傘を使用することお勧めします。
抗がん剤治療終了後、1-2ヶ月経つと多くの方に赤ちゃんのヴァージンヘアのようなカールしたやわらかい髪の毛が生えてきます。
生え初めてから約3ヶ月でベリーショートぐらいになり、だいたい半年ぐらい経てば帽子やウィッグから卒業できるようになるでしょう。
抗がん剤とは細胞分裂が活発ながん細胞を攻撃して死滅させることを目的に開発された薬なので、どうしても消化器官や骨髄、毛根部などの細胞分裂が活発な正常な細胞にも影響を与えてしまいます。
そのため、吐き気や嘔吐、白血球の減少、脱毛などさまざまな副作用を伴ってしまいます。主な副作用の簡単な説明と対処法は以下のとおりです。
吐き気や嘔吐も抗がん剤治療での代表的な副作用のひとつです。また、薬の種類や個人差での違いが大きく出る副作用でもあります。
投薬後24時間以内に起こる急性嘔吐、24時間後から4-5日程度続く延滞性嘔吐、精神的なものから来る予期性嘔吐の3つのタイプに分けられます。
そのため、抗がん剤治療を行う際は、たいていの場合吐き気止めの薬とセットで用います。
最近はさまざまな吐き気止めが研究・開発されており、患者さんの体質や精神状態を把握することでより効果的に使用できることが多いので、吐き気を訴えても仕方がないと無理な我慢をしないでこまめにお医者様と相談して、体質に合った吐き気止めを処方してもらうことも重要です。
抗がん剤の種類によって脱毛しやすいものと、しにくいものがあり、抗がん剤治療を受けた方すべてが脱毛するわけではありませんが、脱毛は抗がん剤治療が引き起こす代表的な副作用のひとつです。
投薬の種類、投与の方法、量、体質などの違いで個人差はありますが、通常は治療開始してから2-3週間で抜け始めます。
最初はパラパラ抜け始め、その後だんだんと脱毛量が増えていくことが多いようです。
抜け方は個人差がありますが、最終的には頭頂部は脱毛して、生え際部分は多少残る方が多いようです。 また、脱毛は頭髪だけではなく眉毛・まつげ・鼻毛など全身の体毛にも起こります。
細胞分裂の速い細胞には爪を作り出す爪母細胞(そうぼさいぼう)も含まれます。そのため、手足の爪の黒ずみ、反り、はがれやすくなったり割れやすくなったりするトラブルが起こることがあります。
治療開始後、数週間後から数ヶ月以上経ってから起こることが多いようです。
指先は日常生活を行う上で重要な部分ですので、症状が進まないように上手にケアをしていきましょう。
抗がん剤治療終了後、半年から1年ぐらいで元のきれいな爪に戻ります。
抗がん剤治療直後から数日後に味覚が変わったと感じる場合があります。
味に敏感になったり塩味やしょうゆ味を苦く感じたり、金属味を感じるような場合は、だしを強めにしたりゴマやシソの風味を利かせたりして工夫します。
味を感じにくい場合は、少し濃い目の味付けにして汁物や酢の物など水分が多めの献立にします。
抗がん剤治療後、数週間ぐらい経ってから嗅覚が敏感になることがあります。これまで気にならなかったにおいをたまらなくいやだと思う場合もあるようです。
味覚障害の場合は亜鉛製剤などの服用で改善するようなので、においや味を感じなくなった場合は我慢せずに主治医や看護師などに相談しましょう。
抗がん剤によって粘膜が傷つけられることや白血球の低下が原因で口内炎が起こります。
抗がん剤の治療が終了すると2-3週間で治りますが、食事や水分を摂るのも辛い状態になるので気力や体力の低下を避けるためにも口腔ケアはとても重要です。
副作用の下痢には抗がん剤が腸の粘膜を傷つけるために起こるものと腸管のぜんどう運動が活発になるために起こるものの2種類があります。
また、逆に吐き気や倦怠感で身体を動かさないことが原因で便秘になったり、抗がん剤と一緒に服用する吐き気止めには腸管運動を抑制する動きがあるために起こる場合があります。
抗がん剤治療中に皮膚が黒ずんだり、硬くなったと感じたり、紫外線に敏感に反応することがあります。これは抗がん剤がメラニン細胞に影響を与えるために起こる副作用です。
上記以外にも抗がん剤の種類や該当するがんの種類によって様々な副作用が報告されています。
感染症・貧血・腹痛・発疹・肺障害、呼吸困難・肝機能障害・心筋障害・腎障害、腎不全・末梢神経障害・ほてり、発汗、のぼせ・アレルギー反応・視覚障害・聴覚障害・血液障害・膀胱炎・排尿障害・間質性肺炎・頭痛