紫外線は免疫力を低下させることをご存知ですか。
免疫力の低下は、抗がん剤治療中の患者さんにとって大問題です。
免疫力が低下するとかかりやすくなる感染症は、さまざまな種類がある抗がん剤に共通する副作用のひとつで、骨髄の造血細胞がダメージを受けるために血液中の白血球や赤血球が減少して体内に侵入するウイルスや細菌に対抗する力が衰えます。
このときに風邪などをひいてしまうと次の治療ができなくなるため抗がん剤治療計画全体にも影響があり、注意が必要です。
また、抗がん剤服用中は免疫力の低下だけではなく、皮膚が敏感になり、ターンオーバー(新陳代謝)も抑制されているので紫外線の影響を受けやすくなっています。
また脱毛が進んで頭髪だけでなく、まつ毛や眉毛が抜けている場合には目への直接の紫外線照射にもつながり、より注意が必要となります。
抗がん剤治療中の外出時はお顔をカバーできるつばつきの帽子の着用やUVサングラス、日焼け止めクリームなどでお肌を守ることが重要です。
ちなみに白血球が最も減少するのは抗がん剤投与開始後10日から2週間ぐらいで3週間ほど経つと白血球数は元に戻るとされていますので、減少期はできるだけ外出を避けて、お家でゆったりと過ごすことをお勧めします。