手術の悩み110番 がん患者の不安に対応!
こんなにある術後ケアグッズ(p86-87)のコーナーに髪の毛帽子WithWigをご紹介いただきました。
がんだけでなく、女性に多い病気についての色々な情報が掲載されていて、とてもためになる雑誌です。
2014年(平成26年)5月28日 朝日新聞山形版に「山形県医療用ウィッグ購入費助成事業」開始に伴う協賛記事に髪の毛帽子Withwigが掲載されました。
山形県は抗がん剤治療の副作用で起きる脱毛に悩む患者向けに、医療用ウィッグ(かつら)の購入費の助成事業を開始しました。
治療を受けながら就労を目指す患者を支援すると共に、がんになっても安心して暮らし続けられる社会の構築を目指します。
がんを患った被雇用者の4人に1人が、発症後に依願退職するか解雇されたという調査結果もあるとのことで、「治療期間が終わっても脱毛のために社会復帰が難しく、ウィッグも高価で非常に困った」との声もあったという。医療用のウィッグの購入を補助するのは都道府県で初めてとのこと。
こういったQOL(生活の質)の向上への取り組みがもっと全国に広がるとうれしいですね。
※2014年4月以降に購入した方も対象
【助成内容】
薬剤性脱毛に悩むがん患者に医療用ウィッグ購入費用の一部に対し、助成する。
助成金額は助成対象者一人につき一回限り、10,000円または対象経費の2分の1の額か、いずれか低い額。
山形県下お住まいの市町村保健事業担当課へお問合せください。
2009年度グッドデザイン賞中小企業庁長官賞を受賞いたしました。
1度目は2004年度に着脱式ウィッグでの受賞でしたが、今回はインナーキャップと着脱式ウィッグの両方への高い評価をいただきました。
グッドデザイン賞中小企業庁長官賞トロフィー
東京ビッグサイトでのグッドデザイン賞審査会場展示風景
市販の帽子に組み合わせてかぶるためのウィッグとインナーキャップです。抗がん剤治療などで一時的に脱毛状態になった女性の切実なニーズに向けて開発されました。医療用のかつらというと、やはり分け目が自然かどうか気になるのでしょうが、これは分け目もありませんし、かつらよりはるかに低価格。利用者にとっての重要なファクターをきちんとクリアしています。
最初は内側にベルト芯のついた帽子だけに取り付け可能だったものを、ニット帽など芯がなく直接取り付けられない帽子にも対応できるよう、改良を重ねてより良い製品にして行った点も好感が持てます。
そして何より評価すべきは、闘病中の女性に積極的におしゃれを楽しんでもらおうという提案を形にしたことでしょう。闘病中だからこそ前向きなりたい。そんな気持ちを応援するツールとして成功しています。
2005年に先端を細くして痛みを軽減した注射針「ナノパス33」がグッドデザイン賞を受賞して、いずれ身体の痛みだけでなく、心のケアするグッドデザインも現れると予想していました。この製品がその期待に応えてくれたと思います。(審査ユニット長 左合ひとみ・談)
ジャパンデザイン/グッドデザインアワード・イヤーブック2009-2010 より
(掲載記事冒頭部分)
髪の毛を失うショック、抗がん剤治療を受けた患者さんが異口同音に語る痛みのひとつだ。そこで紹介したいのが、髪の毛帽子専門店WithWigの土橋さん・中禰さん夫婦。抗がん剤の副作用や脱毛症の方のための髪の毛帽子をつくり始めてから、気付けばもうすぐ10年の歳月が経とうとしている。納得のいく商品をつくってきたという自負はある。だが、もっと患者さんに喜んでもらえる商品をと今日も試行錯誤が続く。
(2006年11月10日発行)
(掲載記事文章)
「気兼ねすることなく外を歩いてみたい」。プロイドのウィッグ(かつら)付き帽子事業は、抗がん剤治療の副作用である脱毛症状に悩む女性からの相談をきっかけにスタートした。がん患者ら利用者の声を反映し、最近ではさまざまな帽子に取り付けられる着脱式ヘアピースを開発し、好評を得ている。
相談が持ちかけられたのは8年前のこと。中禰(なかね)氏の妻・土橋真理子さんの友人からだった。抗がん剤の副作用で脱毛症状となる女性の悩みは深刻だ。頭全体を覆うかつらをかぶるか、帽子をかぶるかで悩むが、かつらは高価だし、単に頭を隠すだけの帽子では不自然だ。友人の思いに応えようと探し歩いたが、どこにもウィッグ付き帽子は見つからなかった。それなら、と元スタイリストの真理子さんの腕が鳴った。帽子とウィッグを別々に購入し、手作業で縫い付けてプレゼントしたところたいそう喜んでくれた。
「これだけ重宝がってもらえるのなら、もっと多くの人が求めているはず」と考え、通販サイトを立ち上げると、じわじわ売上が増えていった。
プロイドの本業は、家電機器やオフィス家具などを手掛けるプロダクトデザイン。「初めはボランティア程度のつもりで考えていたが、反響が多くなり、手作りの夜なべ作業では追いつかなくなってきました」。事業部を正式に立ち上げ、外部委託生産に切り替えようとしたが、人工毛メーカーからの仕入れはトン単位でなければ受け付けてもらえないことがわかった。苦労の末、ウィッグメーカーを探し当てて委託生産体制が整った。「商品開発では、常にユーザーからの声をヒントにしています」と同氏。最近では流行の既製品の帽子でおしゃれを楽しめるよう、ヘアピースだけを独立させ、新製品として開発。着脱部分の基盤は皮膚に刺激を与えないよう樹脂製とし、ステンレス製のクリップで帽子に取り付ける仕組みで特許も取得した。毛の量や巻き具合等満足がいくまで試作を5度6度と繰り返してやっと製品化していく。それもすべては利用者の気持ちを考えてのことだ。「ウィッグのおかげで人生に前向きになれた」とがん患者の利用者から届く感謝の手紙が事業への情熱を支えている。
(上記掲載記事文章)
抗がん剤治療による脱毛で悩む女性たちを救う「帽子取付型ヘアピース」。開発したのは、カツラにもファッションにも無縁のプロダクトデザイン会社。
「髪の毛が付いている帽子ってないかな?」スタイリストだった土橋真理子さんが、友人から電話でそう聞かれたのは、8年前のことだった。その女性は、悪性リンパ腫で抗がん剤治療を受けており、副作用でほぼ全脱毛になっていた。
「家の中ではいいんだけど、ちょっと外へ出かけたいと思っても、恥ずかしくて…」
方々探し回ったが、そんなものはどこにもない。そこで、市販の帽子にオシャレ用のつけ毛を縫いつけ、オリジナルでつくってみた。プレゼントされた友人は、鏡の前で涙を流したという。
「それがきっかけで、ホームページを立ち上げ、とりあえず3種類つくった商品を販売し始めたのです」と話すのは、土橋さんの夫で、プロダクトデザインやウェブデザインを行う会社、プロイドの中禰兼治社長(55)。
工業デザイナーとして35年のキャリアを持つ中禰社長が手掛けているのは、システムキッチンやオフィス家具、電子機器にゴルフクラブ、スキー靴、テニスラケットといったスポーツ用品。全く異質の分野への進出に、中禰社長は「最初は半分ボランティア。でも、事業として継続していかないとかえって迷惑をかけてしまうことになる」。
"素人"だったから、人工ヘアの調達にも苦労した。大手メーカーは注文の最低ロット数が大きすぎて、とても話にならない。ようやくヘアピースを作っている大阪市内の会社を探し当て、製造を依頼した。
当初は、帽子に直接ヘアピースを縫いつけていた。ところが、帽子が汚れても洗えないし、何より縫製に手間がかかる。
そこで、オリジナルのクリップを考案。帽子のビン皮(内側を一周しているテープ状の汗止め)に、4か所で取り付けるようにした。これなら着脱は簡単だし、帽子の内側に折り込む形になるため、はずみで外れることもない。さらに、がん治療に使う薬品への耐性を考え、ステンレスに焼き入れしたものを素材にした。
ポイントはもう1つ。帽子からのぞくヘアが自然でなくてはいけない。
帽子に装着するヘアピースのベース部分に、人工ヘアを縫いつける方法を工夫。数段に分けて縫いつけ、真後ろの中央部は厚く、両サイドに行くに従って薄くした。じっくり見ないと、自毛でないとわかることはない。
ショートからロング、ストレートにウェーブ、ソフトレイヤー、髪の毛のタイプは15。黒髪もあれば茶髪、年配者向けの白髪交じりもある。帽子(2000潤オ4000円)を含まずに、価格は4000円台から8000円台。
インターネットのみの販売で、発売当初、月30程度だった注文が、いまでは10倍の平均300に。前年比3割増のペースで伸びているという。
「おかげで帽子取付型ヘアピースのウィズウィッグ事業部の売り上げは、会社全体の25%を占めるまでになっています」と、中禰社長は苦笑する。
国内に続いて米国でも特許を取得。今年1月から、北米を中心にネット販売を始めた。「米国市場は日本の10倍ある」と予測。今後は米国人向けのオリジナル商品を開発していく予定だ。
乳がん患者の「毎日の生活」に焦点を当て、さまざまな生活工夫やアイデア、最新情報を、きめ細かくお伝えする「生活ケアBOOK」です。
編集部は、全員乳がん体験者。自らも必要を感じ、3年半の調査、取材、実践を重ねてまとめあげました。いつもあなたの傍らに置いて、ぼろぼろになるまで、使っていただきたい一冊です。
(本誌ホームページから引用)
※写真の記載電話番号は前所在地のものです。
がんの専門雑誌「がんサポート2004年4月号」で髪の毛帽子WithWigを取り上げていただきました。
本誌は声を聴き合う患者達&ネットワーク「VOL-Net」が発行しているおしゃれブックです。VOL(命の声)を聴き合うことから、QOL(生活・生命の質)を高めていくことを目的に活動されています。(本誌ホームページから引用)
※写真の記載電話番号は前所在地のものです。
がんの専門雑誌「がんサポート2004年4月号」で髪の毛帽子WithWigを取り上げていただきました。
がんサポートは、がん患者さん・ご家族の方々の求めに応えるために、がん患者さんやがん患者団体の代表の方に企画に参加していただき、と同時にがん患者(読者)参加記事をできるだけ多くして、患者さんと共に考え編集していく考えです。患者さんにやさしい雑誌にしようと、できるだけ軽くて、環境にもやさしい用紙を用い、文字も大きくしました。「役立つ・読みやすい・わかりやすい・支え・癒し」をモットーに編集していきます。(本誌ホームページから引用)
がんの専門雑誌「がん治療最前線」で髪の毛帽子WithWigを取り上げていただきました。
本誌は患者主体の医療という視点から、医療の世界で常識、慣習となっているものを全て見直し、患者にとってためになる本当に役立つ情報と知識、そして考え方を提供していきます。(本誌ホームページから引用)
友人へのプレゼントがはじまりの「髪の毛付き帽子」
髪の毛を失った友人が泣きながら喜んでくれた
(上記掲載記事文章)
そもそも髪の毛付きの帽子を作ったのは、がんになった友人から電話がかかってきたことがきっかけです。治療ではほぼ全脱毛になり、気持ちがふさいでいる様子でした。私がスタイリストをしていたこともあって、「髪の毛付きの帽子ってないかな?」と聞いてきたんです。探してみるとやはりないのですね。じゃ自分で作っちゃえ!と3日で2点作ったんです。台の布にナイロン素材の髪の毛を付け、市販のベレー帽に縫い付けたものです。お見舞いがてら彼女の家を訪ね、プレゼントすると、早速かぶって鏡の前に行き、涙を流しながら喜んでくれました。数日後届いたお手紙に「これで気兼ねなく外にも行けます」と書いてありました。
やはり女性にとって髪というのは大事なシンボルなんですね。鏡のなかの脱毛した自分の顔を見たときは、がんの告知を受けたときよりショックだった、という方は少なくないように思います。
その出来事を主人に話すと、「困っている人はたくさんいるだろうからホームページに載っけてみたら」というんです。でも試着できるわけではないから難しいのでは?!と思いつつ、試しに通販サイトに載せるとすぐにメールやファックスで問い合わせがありました。最初はボツボツと、やがて途切れることなく来るようになったんです。たぶん口コミというかネットで伝わっていったのだと思います。
注文が多くなって、すべてを1人の手作業でやっていたのでは追いつかなくなり、台布に髪の毛を付ける工程はウィッグメーカーに手伝ってもらうことにしました。問い合わせに応じて、工夫を重ねるうち、商品の種類も多くなったので、自前のホームページを作ることにしました。それが2年ほど前のことです。
掲示板の書き込みやメールを拝見すると、いろんな方がいらっしゃいます。
脳腫瘍の手術をされた方は「帽子」はとても素敵です。嬉しいから記念撮影を送ります。とお庭で撮った写真を送ってくださいました。忘れられないのが、がんになって髪の毛をなくされた60歳のお医者様のお便りです。今まではなんのためらいもなく抗がん剤などを使用していた。副作用で脱毛してもそれは一時的なこと。しばらくすると自然に生えてくる、と平気だった。だけど自分がその目にあってみて愕然とした。男の自分がそうなのだから女性のショックはいかばかりか身にしみて分かった。患者に対する告知や副作用の説明が慎重になった・・・・と書いてありました。
この2年半で作った帽子の数はおよそ1000個にはなるでしょうか。「お客様」の年齢は6歳から70代まで、全員女性です。というのも男性用は作っていないんですね。鬢など生え際の自然な感じを出すのが難しくて、まだうまく作れないんです。けっこう問合せがあるので、これからの研究課題です。
儲け? ですか。
ま、ボランティアの要素が強いですからあんまり・・・・。これから考えることにします。