写真はジデント社出版の料理本dancyuの2014年版日本一のレシピです。
けっこう美味しいメニューがあるので、今日はここから栄養豊富でヘルシーな特におすすめの一品を紹介します。
妹尾河童さんは舞台美術家・エッセイスト・小説家でグラフィックデザイナーで1930年生まれの今年86才。
最近では自身の少年時代を描いた著書『少年H』が300万部以上の大ベストセラーになり、2013年にはテレビ朝日開局55周年記念作品として映画化になりました。
そんな妹尾さんがこよなく愛する扁炉(ピェンロー)が紹介されていて、私もファンになりました。
本格的な鍋の季節の始まる前のちょっと肌寒くなる今時分向けの料理です。
dancyuに登場する妹尾河童さん。
材料はこんな感じです。
■干し椎茸50グラムを一昼夜水に浸してもどしておきます。(もどした水はダシで使います。)
■白菜-株。白い部分は食べやすく火が通やすい細長切りをお勧めします。緑の葉は5cm角程度に切って鍋の加熱後に登場します。
■豚肉500グラム。
(バラ肉の薄切りを食べやすい大きさに切ります。一人分100グラム見当。)
■鶏肉500グラム。(モモ肉を一口大に切る。一人分100グラム見当。胸肉は味が出ないからダメ)。
今日はつくって冷凍してあった鶏肉団子を使います。
■春雨一袋は適当な長さにカットして水にもどします。
■胡麻油は精製した極上品より、普通の色がついていて香りの強いもののほうがいいです。
■粗塩。(精製した卓上塩でないほうがいい。)
■一味唐辛子少々。
作り方→大きい鍋に白菜の白い部分を放り込み、タップリ水を注ぐ。
その時、先に椎茸をもどした水を入れる。
沸騰してきたら、豚肉、鶏肉、椎茸を全部ぶち込んで、胡麻油を大さじ4ほどタラタラと。
しばらく煮て、途中で取り分けて残しておいた白菜の青い葉っぱを入れる。
白い部分と同じ柔らかさになったら再度胡麻油大さじ2をタラッと。
最後に春雨を入れます。
春雨は煮すぎないこと。
食べる直前に、もう一度胡麻油をタラタラと"の"の字を書くようと垂らす。
これでピェンローが出来上がります。
作り方は簡単ですが、作り方よりも食べ方が大事です。
鍋の中は味つけをしていないから、食べる本人が各自で味をつけます。
自分の椀に塩と一味唐辛子を入れて、鍋の汁で溶かします。
それをつけ汁にして食べますが、この鍋は少し塩加減が濃いほうが美味しいとは妹尾河童さんからのメッセージ。
食べ方で注意することは汁は飲まないということ。
後でこのスープに御飯をいれて"ピェンロー粥〃を作るために必要ですから。
あと妹尾さんは野菜は白菜だけにして欲しいと言います。
間違ってもネギや人参、春菊などを加えない事。
これはみんな何度もやって経験で失敗ずみですって。
付け汁の塩加減は食べてるとどんどん薄くなってきますので適宜足してください。
緑豆春雨を鍋に掘り込んだらスープを大量に吸い込んでしまうのですが、このスープをたっぷり吸収したところがウマいので、別茹は絶対せずにスープは多めに作りましょう。
椎茸には、フィトステリンというコレステロールの沈着を防ぐ成分が含まれています。
また、ビタミンB12、エリタデニンといった、血圧を下げる働きをする成分が含まれています。
かさの部分に多いエリタデニンは、肝臓のコレステロール代謝を促進させるので、血液中のコレステロールが増えすぎるのを抑制します。
干ししいたけ9g(大2個)を1週間食べ続けると、コレステロール値が約10%下がったという実験結果が報告されています。
椎茸は生活習慣病を防ぎ、老化を防ぐのに適したすばらしい食品です。
でも、近年の製品は、天日でなく電気乾燥もためビタミンDが作られていません。
買い求めた干ししいたけを、一度天日に干してから食べるようにすれば、ビタミンDが増えるのでお勧めします。
もう一つのメインの材料の春雨の原料はでんぷんです。ということは栄養は主に炭水化物(糖質)になります。
しかし、カロリーは10g(1食分)35kcalと低いのです。
何故、炭水化物なのにカロリーがこんなに低いかというと、春雨は乾燥させているため、調理後は水分量が80%近くまで上るために量が膨れます。
だから食べる分量に対して、カロリーが低いのです。
特に緑豆春雨には炭水化物以外の栄養としてカルシウム、カリウム、ビタミンB1、食物繊維が含まれています。
しかも緑豆春雨はコシがあるので、自然と咀嚼回数が増え、それによって満腹中枢を刺激するので満足感を得やすいのです。
さらに春雨は血糖値の上昇が緩やかですので、ダイエットにも適していますし、糖尿病食にも有益であると考えられています。