松田優作鍋を知っていますか

寒くなってきました。寒くなったと言えば鍋料理ですが、今年は秋に入ってからの天候不順で葉物野菜、特に白菜が高騰していて困ったものです。

でもモヤシだけは物価の優等生で価格が安定している安価な野菜の代表と言えます。

今日はそんなモヤシを使った鍋の紹介です。

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この鍋は「豚モヤシせいろむし鍋」というのですが、俳優の故松田優作さんがこの上なく愛したという事から、「松田優作鍋」の名前が付いています。

彼が映画「ブラックレイン」の撮影で来阪の時に、谷町六丁目交差点近くの空堀商店街の中にあるお好み焼き屋「冨紗家」でよく食べていました。

材料は
○モヤシ=1人1.5袋×人数(太モヤシでも細モヤシでもOK)
○豚バラスライス肉=150g×人数(2~3㍉の厚いもの)
○厚揚げ=一人1/3丁×人数
○シャウエッセンソーセージ=1人3本
○ニンニク=一人ひとかけ×人数
○酒=100g(1/2カップ)
○黒胡椒
○お餅(角餅)=適当

ザッとモヤシを洗います。

写真は太モヤシですが細モヤシでもOK.

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土鍋にニンニクを入れます。

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水を切らずに半分のモヤシを入れます。

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厚揚げとシャウエッセン(オリジナルには入りませんが私は好きなので入れます。)をこんな風に。

(普段は添加物入りのウィンナー類は食べないのですが、この鍋だけは特別扱いです。)

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残ったモヤシの半分を入れて、豚バラ肉の半分を重ならないように入れます。

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残りのモヤシを入れて、残りの豚バラを重ならないように入れた後にお酒を回しかけます。

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土鍋を強火で一気に炊き上げます。

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途中で蓋を開けてみると、豚肉にもう少しで火が通る感じです。

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この位でいいでしょう。

この鍋は炊き上がりで火から外して黒胡椒を好みで降りかけて頂きます。

モヤシはシャキシャキ感が残る位に仕上げます。

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豚肉でタップリのモヤシを巻きながら頂きます。

ポン酢と胡麻だれ交互に楽しむのが私流です。ポン酢には柚子胡椒が良く合います。

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この鍋の最後のお楽しみはお餅です。

角餅を半分の一口サイズにして焼き餅にして鍋に投入します。

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残った出汁の旨味を吸いこんだ焼き餅をポン酢で行きます。

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ガンで闘病中の松田優作さんは東京で入院する直前にどうしてもこの鍋が食べたくなり、弱くなった体力を振り絞って大阪に行き、空堀の「冨紗屋」着いたのですが、あいにくその時店は満席で、暖簾から主人にニコッと挨拶をしてそのまま帰ったそうです。

市販のモヤシの多くは「緑豆もやし」と言って、中国原産の青小豆という品種の大豆を使っています。種子を水に浸して暗室で発芽させて成長させます。実はあの小さなひょろひょろのもやしには、ビタミンやカルシウムなどのミネラル、炭水化物や食物繊維も入っていて栄養豊富です。

大豆が元となっているモヤシですから大豆の成分がそのまま受け継がれています。たとえばサポニンや大豆イソフラボン。この2つの栄養素は、モヤシになると増加する栄養素です。大豆レシチンも含まれていて、レシチンは水と油を乳化するという働きを持っています。血管に付着したコレステロールを取り除く効果が期待できて、糖尿病予防の効果もあると言われ、生活習慣病対策にもおすすめです。

もやしに含まれる大豆たんぱく質は脂肪の燃焼と蓄積抑制などの効果があると言われています。食べ物、アルコールなどで、中性脂肪が沈着していくと、身体内脂肪がどんどん増えていきます。そういった脂肪が蓄積するのを抑制する効果が期待できます。

女性ホルモンはエストロゲンと言いますが、これに似た構造を持ち、同じような働きをする大豆イソフラボンは、ホルモンバランスを整える他にも様々な効能があると言われています。例えばホルモン依存性の悪性腫瘍を予防するというもので、 乳がん予防に効果があると言われています。

モヤシは足が早い野菜と言われており、3日ほどで傷んでしまうこともあります。消費期限はだいたい袋詰めされてから2日間と覚えておきましょう。

モヤシの芽とヒゲはそのままにして調理してください。芽とヒゲは1番栄養が詰まっているところです。取った場合はそこからビタミンなどが流れ出てしまうという事もあるので取らずに食べたいものです。